月曜日, 5月 17, 2010

AppleとGoogleが作る未来の検索

先日AppleによるSiriの買収がニュースになった。個人的に注目していた企業だったので、Appleが買ったこと自体に驚いた。逆にこの意図の裏からスマートフォン時代の検索の未来が透けてみえる気がするので、妄想を書いておく。

Siriは音声認識アプリと認識されがちだと思うが、すごいのはどちらかといえば自然言語からの文脈理解である。具体的には、文章から的確な検索サービス(ex.Yelp)を判断してクエリを作り、検索結果を取得して返す仕組みである。今は対象の検索サービスSiriを予め決めているため、例えば食べログなどの検索結果は得られない。

Appleがやるのは恐らくiPhoneOSへのSiriのインテグレーションだろう。具体的には自然言語解析の強化と、Siriインターフェースへ接続するAPIのデベロッパーへの解放である。

これが出来ると何が可能になるか。今はあまり使われていないであろう、spotlight検索の利便性が飛躍的に上がるはずだ。例えばレストランを探したい時に今は食べログアプリを起動して、その中でキーワード検索する必要があるが、食べログアプリがSiri APIに対応することでアプリを起動しなくても同様の検索をSiri経由で手軽に行えるようになる。大して変わんないじゃん、と思うかもしれないがこれが食べログだけでなく、ぐるなびやlivedoorグルメと比較しようとすると、手間の違いは明白だ。

スティーヴ・ジョブスがiAd発表時にスマホでは検索しない、 と言っていたのが印象的なのだが、要するにwebで検索しないというだけのことなのだろう。アプリ本数がふえればカテゴライズが必要になり(これはOS4で実装される)、さらに増えれ ば横断的なアプリ内検索が必要になる。ちょうど10年前のwebと同じことが起きる。これを想定したSiri買収と考えるとつじつまが合うのではあるまいか。

と同時にGoogleがAndroidを無償提供してまで力を入れる理由も同じ。OSを押さえておけばスマホ上ではクロールの必要も無く(※)、コンテンツにアクセス可能だ。これは"あっち側"のクラウド構想とは真逆の"こっち側"の支配である。さすがに抜け目がないね。

※厳密にはspotlight検索は端末内をクロールしてindex生成している模様。動作が重くなるため僕はOFFにしてますが...

というわけで、現在のGoogleやBingのウェブ検索は徐々にその役割を失い、OSレイヤーでの検索サービスが未来の検索になっていくのではないか、と思ったのであった。

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