数年前、有志で集まった合宿でのこと。
ペーペーの平社員だった僕は一人、なぜか幹部の人々に混ざって参加させてもらっていた。
会は昼間から一日中行われ、夜は呑みながらざっくばらんに話をしていた。
その中の一人の執行役員は、僕がその会社を受けた時に採用してくれた最初の上司だった。
みんな頭をフルで使った後にかなりのアルコールが入っていてグデングデンだったように思う。
するとその元上司が幹部の中で突然こう言ったのが非常に印象に残っている。
「◯◯と△△を失敗させたのはオレの責任だと思っているんだよねー」
両方とも、Web2.0だなんだと言われていた時代に急成長した新しいネットサービスのジャンルで、この会社は参入が1,2年遅れたため多くのコストを投じたものの競合に完敗してしまったのだった。
なぜこの話が印象に残ったかというと、こういうエライ人が自分と同等あるいは下の人間がいる前で、サラっと自らの失敗を認める発言をしたのを初めて見たからだ。
人間は弱く自分の失敗は責められたくないので、「認めない」か「言い訳を述べる」かのどちらかだと思う。
ライバルや多くの部下の前であればなおさらそういう人が多いと思う。それが普通だ。
でもその人は真逆だった。そしてそれを聞いた僕は「あ、この人は失敗と向き合えたからこういうことが言えるんだな。ということは同じ失敗はしないんだろうな」と感動してしまった。
失敗を認めるリーダシップをその時学んだように思う。
今日その人が社長になるニュースを見て、こんなエピソードを思い出した。
どんなリーダーシップを発揮されるのか期待しつつ、外部から応援したいと思います。
金曜日, 3月 02, 2012
失敗を認めるリーダーシップ
水曜日, 3月 02, 2011
joined dwango!
3/1からドワンゴにて働き始めました。
「えっ。なんで?」
と思われることも多いのですが、自分の中では次のステップに進んだ感じです。
僕のルーツはパソコン通信時代からのクリエイター(プログラマー)にあり、個人製作のゲームやら耳コピしたMIDI音源(≒カラオケ音源)の配布などを行っていたのですが、インターネットにコミットしようと決めた時から「クリエイターとオーディエンスを繋げる仕組みが作りたい」という思いが強くありました。
今までヤフー、バイドゥにてネットメディアやコンテンツ配信、検索に携わってきたのはこのうちの"コンテンツをみつける"部分をやりたかったからです。非常に貴重な体験をさせていただいたと思っています。
そしてこれからは、"コンテンツを育てる"方も含めてやりたい、と思ったのでした。この点において一番重要なことは、クリエイターとオーディエンスのコミュニケーションを促進させられるかどうか、だと思っています。誰だって自分の作ったコンテンツに反応があれば嬉しいし、好きなアーティストから返事が来たら、嬉しいでしょ?
ドワンゴのニコニコサービスにはまさにその下地があり、日本が世界に誇るコンテンツの未来があると思っています。そして今、コンテンツ業界はあらゆるジャンルで苦境に立たされています。最終的にはそんな状況に一石を投じるサービスが作れたら、と思っています。
メンバーも個性的(?)な人が多いので、いろいろな意味で楽しみです。
今後とも宜しくお願いいたします。
金曜日, 11月 26, 2010
レオ、永眠
2010年11月25日23:45頃、雨の夜空の中、愛犬のレオ(ラブラドール♀14歳6ヶ月)が天に召されました。最後の面会のあと、病院の閉館時間となり帰宅の途に付いた直後、それを覚ったかのように逝ってしまいました。
先生の電話で走って戻った時には、さっきまでの辛そうな呼吸はまるで嘘のようになくなっており、役目を終えたように静かに眠っていました。
母は治療を続けたことで苦しめてしまったかもしれないと言っていたけど、一緒にいた時間の最期の瞬間まで気力で生きていてくれたのは、本人も生きたかったからだと思うし、そう思いたいです。願わくば最期は家に連れて帰ってあげたかった。
30歳の僕にとって半生を共に生きた家族であり、兄弟のような存在でした。
レオ、14年間ありがとう。母さんのこと、これからも見守ってあげてね。
#twitterやinstagramで励ましの言葉をいただいた方々、ありがとうございました。
月曜日, 5月 17, 2010
AppleとGoogleが作る未来の検索
先日AppleによるSiriの買収がニュースになった。個人的に注目していた企業だったので、Appleが買ったこと自体に驚いた。逆にこの意図の裏からスマートフォン時代の検索の未来が透けてみえる気がするので、妄想を書いておく。
Siriは音声認識アプリと認識されがちだと思うが、すごいのはどちらかといえば自然言語からの文脈理解である。具体的には、文章から的確な検索サービス(ex.Yelp)を判断してクエリを作り、検索結果を取得して返す仕組みである。今は対象の検索サービスSiriを予め決めているため、例えば食べログなどの検索結果は得られない。
Appleがやるのは恐らくiPhoneOSへのSiriのインテグレーションだろう。具体的には自然言語解析の強化と、Siriインターフェースへ接続するAPIのデベロッパーへの解放である。
これが出来ると何が可能になるか。今はあまり使われていないであろう、spotlight検索の利便性が飛躍的に上がるはずだ。例えばレストランを探したい時に今は食べログアプリを起動して、その中でキーワード検索する必要があるが、食べログアプリがSiri APIに対応することでアプリを起動しなくても同様の検索をSiri経由で手軽に行えるようになる。大して変わんないじゃん、と思うかもしれないがこれが食べログだけでなく、ぐるなびやlivedoorグルメと比較しようとすると、手間の違いは明白だ。
スティーヴ・ジョブスがiAd発表時にスマホでは検索しない、 と言っていたのが印象的なのだが、要するにwebで検索しないというだけのことなのだろう。アプリ本数がふえればカテゴライズが必要になり(これはOS4で実装される)、さらに増えれ ば横断的なアプリ内検索が必要になる。ちょうど10年前のwebと同じことが起きる。これを想定したSiri買収と考えるとつじつまが合うのではあるまいか。
と同時にGoogleがAndroidを無償提供してまで力を入れる理由も同じ。OSを押さえておけばスマホ上ではクロールの必要も無く(※)、コンテンツにアクセス可能だ。これは"あっち側"のクラウド構想とは真逆の"こっち側"の支配である。さすがに抜け目がないね。
※厳密にはspotlight検索は端末内をクロールしてindex生成している模様。動作が重くなるため僕はOFFにしてますが...
というわけで、現在のGoogleやBingのウェブ検索は徐々にその役割を失い、OSレイヤーでの検索サービスが未来の検索になっていくのではないか、と思ったのであった。
水曜日, 3月 31, 2010
Googleに勝つもう一つの方法
Bing, Yahoo!, Baiduなど世界的な企業がGoogleの牙城に機能や検索結果の品質で挑んでいる検索ビジネスですが、もう一個の勝ち方があると思います。すごい簡単なことで、
Adwordsより圧倒的に高収益なビジネスモデルを創ること
です。IR情報から察するにAdwordsのRPS(≒PV単価)は米国でおよそ6円なので、例えば60円のビジネスモデルが作れれば、検索のシェアが1/10しかなくても台頭できます。むしろ運営コストが低くなるはずなので、利益はGoogleを上回ることもできるでしょう。
ただしそのためにはAdwordsと同様の仕組みでは一生勝てません。キーワードに対するオークション入札で単価が決まり、それに対しての検索回数で売上が決まるAdwordsの仕組みでは、規模の論理が働くため70%近いシェアを持つGoogleには対抗しえません。つまり全然違うモデルでパフォーマンスをあげるしかないのです。
個人的にその可能性は、CPA(成果課金)の広告モデルじゃないかなと思っています。Adwordsやスポンサードサーチのようなキーワード入札のCPC(クリック課金)では、クライアント側にパフォーマンスを上げるための努力が必要であり、十分にスケールすることが難しい。
だが例えばCPAのパフォーマンス保証の広告が作れたとすると、クライアントはただ自分の予算そのものと料率を入札するだけで良くなります。あとはその予算を如何に効率良く消化するか、というところですがココがビジネス的且つ技術的な肝になってきます。これが達成できれば理論上広告媒体としてはクライアントの予算限界まで稼ぐことができるので、最強です。
そう簡単に作れるものではもちろんないですが、こういう視点で検索ビジネスを見てみると、ひょっとしたら最初に挙げたどの企業でも無い、もっとずっと小さな会社がGoogleを倒す未来が垣間見える気がします。破壊的イノベーションに期待しています。
Google vs Appleの戦場
Android vs iPhone、AdMob vs iAd、ChromeOS vs iPadなど一見競合分野が増えてきている両社だが、短期・中期的には違うのではないかと思っている。
例えばAndroid。日本でもこの春いよいよ3キャリアから端末が発売されて、Android元年と呼ばれているがiPhoneを使ったことがある人なら誰でもその差を実感すると思う。正直言って両者の差はまだまだ大きい。使い勝手もそうだが、iTunesとの垂直統合が強固であり、そう簡単には切り崩せない牙城となっている。
そんなことはGoogleも最初から分かっていたはず。ではなぜ参入したのか?なぜ無料でオープンソース化したのか?これらを考えて答えを出さないと行けない。
多分、本質的なAndroidの狙いはまだ始まってすらいなくて、それは欧米や日本でのスマートフォンマーケットの獲得ではなく、アジアなどの新興国や発展途上国でパーソナルネット端末を手にいれるのがまだまだ価格的に困難な地域を狙っているのではないか。AdMobはその上でのマネタイズエンジンだし、ChromeOSも同じ狙いだとすると説明がつく。だとするとこれらは実はイノベーションでもなんでもなくて、検索&広告市場そのものを拡大するための中期投資活動ということになり、Appleの主戦場とは別であることになる。Appleの商品は嗜好性も価格も高く、どちらかと言えば先進国向けの商品だから。
それでもジョブスが憤っているのは、当然長期的には競合となってくる可能性が高いから。PCの時も高付加価値を提供していたはずのMachintoshは、オープン化されたPC/AT互換機市場に飲み込まれてしまった経験もあるのだろう。昔と違い今のAppleはサービス・コンテンツまでの垂直統合ビジネスモデルで成り立っているので、かつてよりは磐石とはいえAndroid及びその周辺のデベロッパーやサービス企業がどんな武器を携えてくるか分からない。
個人的にはAppleは常にイノベーティブな新製品&サービスを出し続ければ成長し続けると思うし、そのモデルを言い方は悪いがサルマネしてリーズナブルな形で広めるのをGoogleがやる、て住み分けて仲良くできないのかな、と思ったりもする。お互いの長所を生かせるし、世の中の全体最適にも繋がる。
いろいろ書いてみたけど、この仮説を検証するためにもAndroidとiPadは買っておかないといけない気がしてきた。。お金がかかって仕方ない業界ですネ。
木曜日, 3月 25, 2010
受動的/能動的メディアの違い
最近アメリカではtwitter経由のトラフィックがGoogleを超えたとか、もう検索の時代じゃないとか、そういうメディア記事やブログ記事を見かけて思うのは、そもそも比べること自体がおかしくない?ってこと。
twitterやfacebookでは確かにソーシャルストリームで共有されるurlから各サイトに飛ぶような使い方が一般化していて、そのトラフィックが増えてるのは間違い無い。滞在時間や訪問頻度も高い。けど、検索とは別の使われ方だし使う時間も全く異なる。
これはメディアへの接し方の違いであり、ソーシャルメディアの使われ方がテレビなどと同じ受動的だから。
どちらかというとweb創成期を支えた旧ポータルサイト、例えばヤフーのカテゴリサービスに近くて、何もしなくてもpushされる情報を流し見ている。無論、マスメディアと違ってソーシャルレコメンドされた情報なので、質や量は全く異なるが。
一方の検索サービスは待っていても何も教えてくれない。聞きたいことを伝えないといけない能動的メディアだ。その行為は「人に尋ねる」ことに近い。人類の叡智を蓄えた図書館に調べに行くのも同じで、機能がweb上の全文検索に変わっただけだ。
従ってテレビが登場したときに本がなくならなかったのと同じように、ソーシャルサービスと検索サービスは並存し、まだまだ成長する。一方でマスメディアやポータルサイトは可処分時間をまだまだ奪われるに違いない。
#初めて全文iPhoneで書いてみた。以外といけるもんだね。フリック入力サイコー!





