金曜日, 4月 25, 2008

インターネットは人を退化させるか?

図書館で借りた「グーグル革命の衝撃」の返却期限が迫っていたので、走り読みしました。
内容的にはNHKの取材班の考察や、経営陣のインタビューで構成されていて、特に新しい情報は無かったのですが、後書きがなかなか面白かったのでそのテーマについて書いてみることにします。

インターネット(特にWWW)、ひいてはGoogleをはじめとする検索技術の登場によって、人類の知はオープン化されて誰からでも簡単にアクセスできるようになりつつあります。特にGoogleはGoogle Maps/Earthをはじめとした地図情報、およびそこに紐づく映像情報をデジタル化して誰もがアクセスできるようにしたり、かたやこれまでの人類の知の宝庫であった図書館の情報をスキャニングし、Google Book Searchによって検索・閲覧が可能になるような活動を進めています。

これらは「力技」であれど、実現されるサービスは途方も無く便利なものであり、間違いなく誰もが「使いたい」と思うものになると思います。Googleはそのミッションステートメントで定義しているとおり、まさに「世界中の情報を整理し尽くす」ことを実践し、ひたすら便利なツールをお客様に提供し続けていくでしょう。


今回のissueはこういうツールが溢れて来ている今、人間としての能力が退化しているのではないか?ということ。

これは僕も何度か同僚と議論したことがあるのですが、この本や同僚の意見としては


「検索はなんでもかんでも簡単に見つかりすぎる。昔は人に聞いたり、図書館で調べ物をしたり、といった過程で幅広い知識を得ることができたし、発想力の広がりにもつながっていた」


というものです。確かにこれも真でしょう。


僕の意見は、以下のようなものです。

インターネットでの検索が提供しているのは、『外部記憶装置』のようなものだと思います。人間の頭脳に蓄えられる情報量には、個性があれど、一定で限界を迎えるため、昔から人は書き残したり、人に伝えることで情報を外部に委託することで自らの新しい知識や研究に投資することができたのではないでしょうか。

この機能を飛躍的に、量・スピードの面で進化させたのが検索サービスでわないでしょうか。僕らはこの便利サービスによって得られた、余剰時間を新しいイノベーションのために投資できるかどうか、が『退化する』かどうかの答えなのではないか、と思います。

皆さんはどう思いますか?


グーグル革命の衝撃 (NHKスペシャル)
NHK取材班
4140811927

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